YamagishiWiki スキルについてまとめます。
マネージャーは忙しい。実際に分刻みのスケジュールに部長や本部長クラスの人がなっていることは周知のことと思う。(そうでない場合は、たいして仕事をしていないか、委任する・丸投げするという蛮勇の持ち主かもしくは惰性に流されて神経がマヒしているかだとおもう) そのため、短い時間で決断をしてチームを先に進める能力がマネージャーには求められる。 しかし、言ってみればその8割から9割は雑用であり、誰でもできるような”難しくはない”。 とにかく、大量の仕事をこなす能力が必要になる。 では、なぜ当たり前のことしかできないマネージャーが重宝されて、高給で雇われ、キャリアパスのゴール・上位資質としてとらえられているのか? 単純に、組織を効率よく動かせることで、扱えるビジネスが大きくなり、そこで得られる利益が大きいからである。ビジネスでは規模がものをいうのだ。 一人の能力では優秀で頑張ってもせいぜい1.5倍しかできないというのが私の持論である。
外資系コンサルが人気だ。 国家公務員がブラックすぎて優秀な人材が逃げていて、その行先が外資系コンサルだという話だ。 しかし、外資系コンサルティングファームというのは、単純に2倍の給料をだすから3倍働けという世界だと思っている。 そして、そのカラクリを支えているのが、プロジェクト方式。 プロジェクトにアサインされて、短期間で成果を出すというものだが、同時に3つも4つもプロジェクトにアサインされるのが当たり前。 フルタイムでなく、同時並行的に、時間を調整して3人分の仕事をこなしていくというのが、求められる姿。 ミーティング時間とかは調整ができると思うが、成果を3倍にするというのはなかなかに難しい。 それをサポートするのが、コンサルティングファームのもつノウハウの蓄積。 それらを効率よく活用することで、より短期間でより高品質のアウトプットを出して3倍のペイに見合った仕事をするというのが”理想像” 実際には、超過勤務の嵐で、疲弊しない強靭な肉体と精神を持っている者だけが生き残れる世界です。 そもそもコンサルタントというのは、”業務経験があり”、”横並びでの他社を含めた知識があり”、”最適な解決策に、短時間で到達できる”というスーパーマンの様な働きが期待される職種であり、いくら優秀だからといって大学出てすぐの若手がなってよい職業ではないと思うのですよ、本当のところは。 まぁ、そうして優秀で野心的な若者を集めて競わせて、使い倒すというのが実態かも知れない。 使う側も、食い物にされないように、多くを期待せず、錦の御旗が必要な社内政治のためか、失敗したときの責任追及先を確保する保険と考えるか・・・ 自分たちにない能力と見識、知識のため、時間を金で買うという意識が必要になる。 自社の社員を育成するための時間とコストとの見合いでと正しく選択してほしいものである。
顧客に対して、何を提供しているのでしょうか? 色々のシステムを構築する作業を実現できるという”可能性”を販売していると考えます。 この人(たち)にお願いすれば、作りたいシステムがよりよく作れると思って発注をします。ここで販売しているのは”期待”です。 そして、それを”スキル”と言っています。
スキルについては、3~4段階のレベルが定義されています。 これは、ITSSの考え方でもあります。
LEVEL1 : 知っている 知らなければ、対応できません。学校で勉強してペーパーテストで確認するのは、この知識のレベルになります。 しかし、知っていたらできるものではありません。やってみないと本当にはわからないということはよくある話です。
LEVEL2: できる IT関連のトレーニングには座学にかならず練習が付いてきます。実際にやってみることでわかることが結構あります。 知識のレベルは表面的な理解ですが、実際に試すことで内部まで理解が到達する感じです。
LEVEL3: 教えられる よく一番理解を進める方策は人に教えることだといわれます。 実際に作業ができることは、そのやり方で、限定的な理解でも結果を出すことができますが、人に教えるとなると、より多面的で根本的な理解が必要になります。 また、教えるというのは言語化する必要があるため、より整理されて客観的な理解のレベルに達します。
LEVEL4: リードする このあたりになると、その分野で並ぶものが居ないというレベルに達するということらしいですが、能力開発という意味でのスキルレベルとしては必要ないと私は考えています。
わかるということは、AHA体験といった形で一時期もてはやされましたが、確かに”わかる”と今までできなかったことができるようになります。 色々な知識がたまってきて、ある臨界点を迎えると、1レベル上の段階に理解が進み、今まで見えていなかった世界、鳥観図の様な理解レベルに達することが”理解する”、”解った”ということだと考えています。
例えば、三角関数の公式を色々覚えて計算できるというレベルから、複素平面での極座標表示を理解して、三角関数の公式を作ることができるレベルになると、1段階上がった感覚があります。 (公式は覚えるものではなく、作るものだ・・・と習いました)
理解度というものは、おおむね階段状に進むものです。 中々レベルが上がらない(できることは変わらない)という状態でも、知識と経験が蓄積されて、ある時点でポンと1段階上がります。 この様に、理解度というものは階段状にあがるため、どうしても成果がでない踊場の状態が続くことがあり、教育やスキルアップで、モチベーションの維持が難しい部分になります。 理解度の習熟というのは、内的熟成の時期は外部から測定できない(同じ結果しか出ない)こともあり、気長に成長を待つ心構えが必要になります。 男子 三日会わざれば刮目すべしです。急に育つ・レベルが上がることがありますので。
人の能力差は思ったより小さいです。 誰でも 運動がそこそこ得意であれば 100m を 15秒では走れると思います。 その一方 100m を 10秒で走れる人は限られています。 でも考えてください。その差は、 1.5倍です。 100m 15秒で走るのは 時速 24km ですが、 10秒で走る人は 36km です。
身長にしても、おおむね 1.5倍程度に収まります。
単純に計測できる人の能力差というものは、その程度だと考えています。
その一方で、特にIT業界では何倍も、何桁も生産性に差が出ます。 小さいときは一緒に学校に行ったのに、あの人とは、なんでこんなに差がついてしまったのだろうかと思うことはあると思います。
あの人は見えないところで努力をしている間に、私は遊び惚けていたから・・・というのは確かにあるでしょう。 天才は”努力できる”才能を持っている人のことだと思います。 しかし、もう一つ、複利ということがあります。 曽呂利新左衛門の逸話で 太閤秀吉に望む褒美を与えるといわれて、将棋盤に今日はこのマスに1粒、明日はその2倍を隣のマス・・・という形で将棋盤のマス一杯に米だか麦だかを所望したという逸話があります。 将棋盤は 9x9 = 81 マス。 2**82 粒の米は、いくら太閤でも用意できなかったでしょう。
複利の恐ろしさ・大切さを商人は叩き込まれますが、これは人生の”スキル”についても同じです。 今日は昨日より ほんの1つだけ、1%にも満たないプラスを獲得しようと思い行動するだけで、それが積もり積もると大変な差になります。 今日できないことでも、明日できるように努力することを積み重ねていけば、1%といわず、1つだけでも積み上げていくことを習慣にすれば、長い年月ではものすごい差になります。 あなたと一流といわれる人との差は、その小さなことから始まっているのかもしれません。
昔習ったエンジニアのスキル育成マップの考え方です。 IT業界では非常に多くの知識、能力が求められます。 そのすべてをカバーすることが、求められます。 その一方で、表面的な浅い知識や能力では、商品としてのあなたは売り先がありません。 そこで、どこか1点を掘り下げて、誰にも負けない、とても強力な分野を作ります。 そうすると、みんなに頼られることになり、仕事の幅が広がってきます。 その時点で、横に掘り広げればよいというのが、Tモデルの考え方です。 何か1つ、強力なツールを持ち、その分野の専門家になる → 仕事が回ってくる → 仕事を通じて経験を積み、それが自信となる → 更なる次の仕事、分野にチャレンジする という形好循環を生み出す秘策にもなります。
ただ、ポイントは、どこを掘り進めるか ということです。 みんなが大切・重要と思っている分野は競争が激しく、いくら掘っても、初心者から脱却できないかもしれません。
そこで、”今、目の前にある仕事”にとことん取りくむことが、意外と近道だったりします。